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動画クリエイターとは?仕事内容や年収、なり方、どんな人が向いているか現役クリエイターが解説

2023/02/13 (MON)

動画クリエイターとは、映像制作にかかわる職種全般のお仕事をしている人のことを指します。有名人も多く社会からの注目度も高いため、「興味はあるけれど、特別な才能や技術がないとなれないのでは……」と思っている人も多いのではないでしょうか?

そこで、株式会社ViVNALに所属する映像クリエイターとして活動しながら「バンタンクリエイターアカデミー」の講師も勤めている濱口昭登さんにお仕事内容や動画クリエイターになるために身に付けたほうがいいことなどを詳しく教えてもらいました。

動画クリエイターの仕事内容

SNSやアニメ、CMやプロモーション映像などさまざまな分野の動画制作を行う

動画クリエイターと呼ばれる人たちは、どのような仕事をしているのでしょうか?

「動画クリエイターは映像クリエイターとも呼ばれ、その名の通り映像を作るのが仕事です。YouTubeやTikTokなどのSNSにおける動画コンテンツ、3Dアニメ、ミュージックビデオ、企業のCMなど、さまざまな分野の動画があります。動画クリエイターが作るものは、SNSの動画コンテンツのように限られた人たちが見て楽しむものだけでなく、街で見かける大型広告ビジョンで流れる動画やお店のプロモーション動画など、身近なところにたくさんあるんです」(濱口さん。以下同)

作品を売り込むより、クライアントから依頼されて作るのが主流

具体的には日々、どのような仕事をしているのですか? また、制作した動画が、YouTubeやCMで放映されるまでの流れも教えてください。

「何を作るにしても、企業などクライアント(依頼者)から依頼されることから仕事が始まります。時には動画クリエイターから『こういう動画を作ったので使ってみませんか』と売り込むこともありますが、依頼されて動画を作るほうが多いですね。

まず、企業やYouTuberなどクライアントから、『こういう動画を作ってほしい』と依頼されます。依頼を受けたらクライアントと打ち合わせをし、例えばYouTubeだったら『アカウントを管理するのか』『映像の編集だけをするのか』『企画を一緒に考えるのか』『どういうものを制作したいのか』といったことを確認します」

クライアントの意向を聞くだけでなく、こちらの意図を伝えながら映像を作っていく

「動画撮影を行う場合は、前段階として『絵コンテを書く』『シナリオを考える』といった作業が必要です。絵コンテとシナリオをもとに撮影を行い、終わったら編集作業に進みます。その後、動画が完成して終わりと思われがちですが、そうではありません。クライアントに動画を見せて1回でOKということはほとんどなく、たいてい2、3回は修正してほしいと依頼されます。

とはいえ、ただクライアントに言われるがまま修正するわけではありません。例えば『この文字を赤色に変えてほしい』と言われても全体のバランスを考えて変更しないほうがいいと思えば、そう考える理由をクライアントに説明し、こちらの意見を採用してもらうこともあります。

このように専門知識や技術に基づいた提案ができることは、動画クリエイターにとって大事なことだと思います」

「再生回数が上がった!」と喜ばれることにやりがいを感じる

自分が作った動画をたくさんの人に見てもらえると想像しただけで、ワクワクする人も多いと思います。実際に仕事をしていて、どのような時にやりがいや魅力を感じるのでしょうか

 

「YouTubeやTikTokの場合であれば、私たちが動画を作るようになってから『再生回数がすごく上がった』と言われると、やはりうれしいですね。評価されたという、やりがいを感じる瞬間です。また、美容室の店舗PRの動画を作った時には、たくさんの人が興味を持って見てくださいました。YouTubeなどは興味のある人たちだけに見てもらうことが多いですが、不特定多数の人の目に触れる動画を作ることができるのも、やりがいにつながっています」

会社に所属する専門職とフリーランスの違い

動画クリエイターはフリーランスで活躍している人も多いようです。会社で働く場合とフリーランスでは、何が違うのでしょうか? それぞれどのような職種があるのかも教えていただけますか?

会社に所属すると専門分野に分かれる場合が多い

「社員数が多い広告代理店や制作会社などでは、動画制作の仕事は専門的な内容ごとに分かれています。いわば分業です。職種で言うと、動画制作の仕事全体を取りまとめるプロデューサー、アイデアを考えるディレクター、撮影を行うカメラマン、編集するエディター、2D・3Dのデザインを作成するCGデザイナーなどです。しかし少数精鋭の制作会社などでは、ディレクターも編集をしたり、カメラマンとエディターを兼ねたりなど、職種の枠にとらわれず自由度が高いです」

フリーランスで代表的なのはYouTuberやビデオグラファー

「フリーランスの場合は、動画制作の仕事すべてをひとりで行うことが多いです。代表的な職種の1つがYouTuberで、動画サイトに投稿する動画の企画から撮影、編集、配信までを自分で行います。また、ビデオグラファー(映像作家)もフリーランスに多い職種ですが、やはり企画から撮影、編集までを自分で行う人が多く見られます」

動画クリエイターを目指す前に知っておきたいこと

給料、年収は働き方や会社規模によってまちまち

フリーランスで活躍している動画クリエイターの中には、高収入を得ている人もいるようです。会社に所属する場合とフリーランスで働く場合では、動画クリエイターの年収に大きな差があるのでしょうか?

 

「会社の規模などでも給与は違ってきますからあくまでも目安ですが、正社員の場合、テレビ局や大手広告代理店の平均年収は約700万円、制作会社の平均年収は400〜600万円と言われています。

ちなみにフリーランスでは年収1,000万円以上の人もいるようですが、あくまでも一部です。また、クライアントから依頼されないと仕事ができませんから、ツテもなくいきなりフリーランスとして働くのは収入のことを考えると大変だと思います。

私が働いている会社もそうですが、多くの制作会社は働き方が自由で、副業もOKというところが少なくありません。給料だけでは判断できないこともあるので、条件なども含めて総合的に判断するといいのではないかと思います」

動画クリエイターの需要は増えているけれど、クオリティがいっそう求められる

動画配信サービスが広がりを見せているなか、実際に映像コンテンツのニーズは増えているのでしょうか? また動画クリエイターは将来性のある仕事だと思いますか?

 

「動画クリエイターとしての仕事の需要はとてもあると感じています。そして、求められることは大きく変化しています。数年前までは、動画編集をできること自体が評価されていました。しかし今は、無料で動画編集できるアプリを利用する人も増え、『プロだからこそ作れる動画』に対する期待がますます高まっていると実感しています。また、3Dの時代へと進化するなか、これからは3Dの勉強も必要だと痛感しています」

制作する映像はミュージックビデオから広告プロモーションまで幅広い

実際にどのような動画を作っているのか教えていただけますか?

 

「私が所属している会社はミュージックビデオから始まりましたが、仕事の幅がどんどん広がり、企業から依頼されるお仕事では、商品・サービスの紹介、企業やお店の紹介の動画も制作しています。完成した動画は企業のホームページ上やYouTubeで配信されたり、街にある大型ビジョンで放映されたりします。企業が発信する情報に必要な映像全般に関わっていると感じています」

一番向いているのは、動画が好きな人

動画クリエイターにはさまざまな職種があります。それぞれにスキルは違うと思いますが、向いている人の性格や能力など共通点はありますか?

 

「動画編集だけを見れば、同じ作業を続けるのでコツコツと集中してできる人が向いていると思います。実を言うと私はコツコツやるのは苦手なのですが、それでも動画を作ることそのものが好きなので、編集作業も自分でやっています。何でもそうですが、好きなことであればたとえプロセスで大変なことがあっても乗り越えられると思うのです。

 

私は動画クリエイターとして働くようになってから、YouTubeをはじめ動画を見る時の意識が変わりました。街を歩いていても、『あのキラキラする映像はどうやって作ったのだろう?』『あの店の看板、あえて緑色を使ったのはバランスを考えたからだな』など、つい目が行ってしまいます。この話を読んで『あっ、私もそうだ!』『おもしろそう』と思った人は、動画クリエイターに向いていると思いますよ」

動画クリエイターになるには

必要な知識・スキルは? 独学の場合は覚悟が必要

動画クリエイターになるには、どんな知識やスキルが必要ですか? それは独学で身に付けることもできるのでしょうか?

 

「例えば動画編集ソフトの知識やスキルは必要です。私はもともとカメラマンでしたが、仕事をしながら独学で動画編集を学びました。専門的な知識を自力で習得するのは本当に大変だったので、相当の努力が必要です。その覚悟ができるかチャレンジする前に自問自答したほうがいいと思います。

 

また、制作会社で働きながら技術を習得していく方法もあります。しかし、どの会社も即戦力を必要としているので、ツテがない限り採用されるのは難しいのが実情です」

専門学校へ通って基本的な知識・技術を習得する

動画クリエイターを目指す人を対象にした専門学校やスクールで学ぶメリットはどんなものがありますか?

 

「『バンタンクリエイターアカデミー』に入学してくる学生の中には、パソコンを触ったことがない人もいます。そうした学生も、動画編集に必要なソフトであるAdobe製品を使いながらパソコン自体の操作も覚えていくので、知識や技術を習得しやすい環境だと思います。

 

また、例えばYouTuberのマネージャーなど、マネジメント系職種を目指す学生の中には動画編集に興味がない人もいます。しかし、現場経験者の私から見れば、動画制作の知識があるほうがマネジメントする時に説得力のある意見を言いやすくなると思います。学生の目線では必要ないことに思えても将来役立つことはたくさんありますから、それらを体系的に学べるのは専門学校の良さの1つだと思います」

クオリティを求められるからこそきちんと学び、信頼される動画クリエイターになろう!

さまざまな発信ツールとして、需要が高まり続けている動画。その制作をプロとして行う動画クリエイターは、今後ますます求められるクオリティが上がっていきます。専門学校や独学で学び、制作会社などで実務をこなして技術を磨き上げていくのが一般的なようです。いずれにせよ大事なのは、「動画が好き」「こういう動画を作りたい」という積極的な姿勢だといいます。

 

「動画クリエイターになるという漠然とした目標ではなく、『大好きなYouTuberの動画を編集したい!』など具体的で、そして大きな目標を持ってほしいです。自分がワクワクする目標があれば、『そのために今、これを学んでいるんだ!』と意欲的になれますよ」と濱口さんは語ります。動画クリエイターを目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。

【監修者プロフィール】
濱口昭登さん
ミュージックビデオやライブ映像に企業PR・デジタルサイネージへの広告
などの動画を制作する株式会社ViVNALに映像クリエイターとして所属。
また、バンタンクリエイターアカデミーにて、動画編集などの講師も勤める。

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