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【覚醒前夜 オーディションプロジェクト】審査員長に就任した世界的音楽プロデューサー・TeddyLoid氏が語る。「また仕事したい」アーティストの条件とは

2026/08/21 (FRI)

Adoさんの「踊」「唱」、『Panty & Stocking with Garterbelt』、『ME!ME!ME!』などのアニメ主題歌、ゲーム、CM音楽……

挙げるとキリがないほど数々のヒット作を手がける、世界的な音楽プロデューサー・DJ ArtistのTeddyLoid氏が、バンタンミュージックアカデミー東京校と大阪校それぞれで、プロデューサー視点でみる「仕事が来るアーティスト」について語りました。

 

この特別授業は、ネットカルチャー発の音楽フェス「NIGHT HIKE」とバンタンの共同オーディションプロジェクト「覚醒前夜」の一環として位置づけられ、このオーディションでのデビューを目指すメンバーを中心に受講しました。

 

 

1. 「仕事が来る人」は、どんな人だと思いますか】

「プロデューサーとして『この人は伸びるな』『また一緒に音楽を作りたいな』と思う人に共通していたことを話します。早速ですが、『仕事が来る人』はどんな人だと思いますか?」

メンバーからは、「人のことをすごく大切にできる人だと思います」「約束を守れる人じゃないかな、と思います」と意見があがりました。

TeddyLoidさんは、「全部大切だと思います」と頷き、「歌が上手い人は、本当にたくさんいます。でも、また仕事をしたいと思われる人は、意外と多くありません。歌唱力はすごく大切ですが、十分条件ではないんです。同じくらい歌が上手いのに、なぜ差がつくのか?レスポンスが早い人、そしてプロデューサーやファンの意見を率直に受け止めて咀嚼できる人が選ばれます。プロデューサーは、アーティストの技術、表現、人柄、姿勢、コミュニケーションを見ています。最後には、人として信頼できるかどうか、そしてまた作品を一緒に作りたいと思えるかどうかです」と力を込めました。

2. 武器は、最初からあるものじゃない】

自分の武器を知る

「『なんでもできます』より、『これだけは負けません』というものがある方が強いです。

“覚えてもらえる理由”を持ってください。でも、最初から武器がある人は、ほとんどいません。武器は育てるものです。好きで続けられること、人から褒められること、時間を忘れて没頭できること ―― そこにこそ、ヒントがあります」

信頼は、才能と同じくらい大切

「一緒に作品をつくりやすい人、相談しやすい人、約束を守る人、周りにリスペクトを持てる人。プロの現場は、そうした信頼を積み重ねることの繰り返しです。継続することも、信頼につながる大切な行動だと思っています」

続けるために、完璧を目指しすぎない

「30分でも、決めたルーティンのなかで制作の時間をつくってください。僕自身も、実は、ストック曲はなく、毎日、1曲は作っています。音楽は、やめずに続けた人が最後まで残る世界です」

作りかけの100曲より、完成した10

「完成させることで、初めて課題が見えてきます。完成していない曲はだれも評価することができません。制作したら、自分の曲をクライアントや人に直接送ってみてください。少なくとも僕は見ています。僕は18年くらい音楽を続けていて、まだまだ作りたいものがあります」

3. 楽曲は誰かに届けるためにつくる】

後半のテーマは、制作現場のリアルについて。1曲は「企画・打ち合わせ→デモ→方向性の確認→アレンジ→レコーディング→ボーカルエディット→MIX→マスタリング→リリース」という長い工程を経て完成します。

「作品ができあがるまでの過程は長く、ひとりで完成させるものではありません。

デモはゴールではなく、スタートです。方向性を伝えて、アイデアを共有するものです。また、イメージが膨らむデモは、重宝されます」

さらに、「楽曲は、誰かに届けるためにつくります。

プロデュースするときは、ファン層をリサーチして、そのアーティストに合いそうな要素を取り入れます。届ける相手を見て、変えていくんです。自分がやりたいことも、表現者として大切です。でも、相手にどう届くかを考えることも、すごく大事なことです」と語りました。

4. 才能がない人は、いない】

質疑応答では、次々と手が挙がりました。

 

――複数人で制作するとき、個性を保つにはどうすれば?

「それもまた、信頼が大切になります。プロデューサータッグを組んでいるGigaちゃんに関しては、自分のライバルになる存在だなと感じたんです。なので、仲間にしちゃおうと。制作では、プロジェクトファイルを交換したり、『コライト』といって一緒に同時進行で曲制作をする場合もあります。データのやり取りで相手を驚かすことが好きですね。相手を受け入れて、自分の色を適度に入れることが大事だと思います」

――オーディションでは、どこを見ていますか?

「芸能界の要素もありますので、挨拶は大事です。目を見て話せない人って、結構います。あとは、ちゃんと練習している人と一緒に仕事をしたいです」

 

――才能がなければ、扉は開けないのでは。

「才能がない人は、いないと思います。皆さん、何かしらの才能をお持ちだと思うので、“得意”を伸ばしたほうがいいです。認められる部分を客観視して、周りに聴いてもらい、フィードバックをもらうことが大切です」

 

最後は「今日からできること」として、自分の武器を書き出す、曲を完成させる、新しい音楽に触れる、約束を守る、発信を続ける、を紹介しました。

「18年前、レーベルに持ち込んで『聴きづらい』と言われたこともあります。でも、諦めなければ実ります。また現場で会えることを楽しみにしています」

 

サプライズとして、ヒューマンビートボックスで締めくくられた90分でした。

受講した音楽総合コース1年次・赤池さんは「挑戦することが自分のプラスになると思います。最後まで残りたいです!」と意欲を見せ、

同コース・ソウミントゥさんは「とてもわかりやすいアドバイスをいただきました。音楽性では尖っていたいですが、仕事をするときは礼儀正しくありたいと思います」と語りました。

プロジェクトが始動し、幕張メッセへの扉が開きました。その先へ進めるのは、TeddyLoid氏の言葉を借りれば「また仕事したい」と信頼してもらえるアーティストだけです。

 

PROFILE

TeddyLoid(テディロイド)さん

音楽プロデューサー/DJアーティスト。

18歳でMIYAVIのDJ・サウンドプロデューサーに抜擢され、13カ国を巡るワールドツアーに参加。2016年には海外Spotifyで最も再生された日本人アーティスト5組に選出され、2017〜2018年には4カ国13都市を巡るワールドツアーを敢行している。Ado「踊」「唱」をはじめ、『Panty & Stocking with Garterbelt』『ME!ME!ME!』などのアニメ作品、ゲーム音楽、CM音楽まで幅広く手がける。近年はアニメ『ポケットモンスター』のエンディング主題歌「ピッカーン!」をGiga & TeddyLoid名義でプロデュース。続く新シリーズではオープニングテーマ「GET BACK」(ゆず)の作編曲も担当した。

公式サイト:https://www.teddyloid.com/

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